24時間換気システムがすべての建物に設置されるようになったのは、今からおよそ20年前の2003年からです。
そのためどんなに家賃が安くても、法改正以降に建てられたマンションならば必ず設置されています。
24時間換気システムの主な役割は部屋の換気ですが、設置が義務化されるほどの重要な役割とは一体どのようなものでしょうか。
今回はマンションにおける24時間換気システムの役割や仕組み、お手入れ方法をご紹介いたします。
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少し前までは24時間換気システムのないマンションも多くありましたが、現在は新築なら当たり前の設備となりました。
24時間換気システムの設置は建築基準法改正のあった2003年から義務化され、それ以降新築を建てる際は必ず設置されるようになったのです。
マンションはほかの住宅と比べ気密性が高い傾向にあり、窓やドアを閉め切っていると十分に換気できません。
窓を1年中開けっぱなしにすることは難しいですが、24時間換気システムなら1年中つけっぱなしにすることが前提に作られています。
空気がこもりがちなマンションの部屋全体に外の空気を行き渡らせ、排気口から室内の空気を出し換気することが24時間換気システムの役割です。
義務化するほど必要だった理由とは
24時間換気システムをつける主な目的は、シックハウス症候群の予防です。
シックハウス症候群は空気中の有害物質が原因であり、新築は特に塗料や接着剤が空気中に発散しやすく症状も誘発されやすいと言われていました。
主な症状は頭痛や吐き気から、せきやかゆみなどのアレルギー症状が出るなど、室内に長くいる人ほど起こりやすい傾向にあります。
日本でシックハウス症候群が社会問題になったのは1990年代ですが、2003年の法改正後は24時間換気システムのおかげで発症は激減したと言えるでしょう。
24時間換気を続けるメリット
空気が密閉されやすい鉄筋コンクリート造りのマンションは、有害物質だけでなく水蒸気もため込むため、窓や壁に結露ができやすいことが難点の一つ。
結露は掃除も面倒ですが、それよりもシックハウス症候群の原因ともなるカビやダニの温床にもなってしまいます。
見えない場所や掃除しにくい部分に結露が起こってしまうと、アレルギー症状が表れたり壁紙や床を傷める原因ともなるため、できるだけ換気して事前に防ぐことが大切です。
24時間換気システムの仕組みと種類
マンションの24時間換気システムは、各場所に設置された給気口から外のきれいな空気を取り入れ、排気口により室内の空気を排出します。
新鮮な空気が室内中に流れて溜まった空気を排気口まで押し出し、常に外の空気を取り入れる仕組みで、24時間換気を続けることにより室内の半分の空気が1時間で入れかわります。
メーカーや種類によって異なりますが、ベランダやバルコニー側に給気口が取りつけられ、トイレや浴室で排気する空気の流れが一般的です。
種類で異なる換気の方法
●第1種換気方式:機械で排気口と給気口を動かす
●第2種換気方式:機械で給気口を動かし排気は自然におこなう
●第3種換気方式:機械で排気口を動かし給気は自然におこなう
この3種類が主な換気方式ですが、一番空気清浄の効率が良いのは給気・排気どちらも自動でおこなう第1種換気方です。
しかし第2種や第3種の効果が低いということではなく、それぞれの特徴があり適材適所種類を変えて設置されています。
住宅で一番利用されているのは自然給気口がある第3種で、これらは結露防止の効果が高く密閉しがちなマンションにも適した方式なのです。
換気効果を上げる方法
24時間換気システムは、常に稼働させながら時間をかけて空気を入れ替えていきます。
もしほこりが舞ったりにおいがこもってしまったときは窓を開けるのが一番ですが、24時間換気システムと換気扇との併用もおすすめです。
お風呂やキッチンにある換気扇は、一部分を短時間で換気することに長けています。
換気扇のみでは一部の排気しかできませんが、24時間換気システムと併用することによって全体の空気を入れ替えながら素早く嫌な空気を外に逃がせます。
もし換気を止めるとどうなるか
換気システムは常時ONにしておくことが基本であり、つけっぱなしにすることによって効果が期待できるものでもあります。
しかし換気を止めたからと言って、すぐに重度のシックハウス症候群が起こるなど大きなことはありません。
24時間換気システムのないマンションもまだ存在し、設置されていても大雨や台風時には強風が吹き込まないよう停止することも推奨されます。
ただ、体質的にシックハウス症候群が発症しやすい人やアレルギー体質の人は1日消しただけでも影響が出る可能性はあります。
給気・排気どちらも機械で動く第1種だと電気代がかかる心配もありますが、およそ100円から500円程度の負担であると考えられています。
つけっぱなしで寒いときの対処法
常に換気システムをつけていると、冬の冷たい風が室内に入り込み暖房が追いつかず冷えてしまうこともあるはずです。
風量を調整できるなら弱めの稼働にしたいところですが、第3種で機能がついていない場合は給気口の向きを変えたり、人に風が直接当たらないように簡単な仕切りをつけると寒さを防げます。
換気システムをOFFにしたり給気口を閉じるなら、再びつけることを忘れないようにしましょう。
また気密性の高いマンションの場合、すべての給気口を閉じてしまうと隙間がなくなり空気がどこからも入り込まず、排気機能もうまく働きません。
室内の空気を出すためには、必然的に外の空気も必要なのです。
24時間換気システムのお手入れについて
自然給気口にはフィルターがついており、そこでほこりや花粉を取り除ききれいな空気を室内に取り込みます。
フィルターは取り外し可能で、理想は月1回の掃除と2~3年ごとの取り換えです。
これらは給気口の機種やフィルターごとに変わるため、どんなフィルターを使っているか一度確認してから用意してください。
また、排気口や換気扇にもほこりがつきやすいため、カバーを外して同じくフィルターをきれいにしましょう。
排気・給気口やフィルターの掃除方法
排気口や給気口は、まず電源を切ってからカバーを外します。
フィルターがない場合はそのまま内部をタオルやペーパーでふき取りますが、このとき内部にティッシュなどが残らないように気をつけましょう。
フィルターがある場合は取り外してゴミを掃除機で吸い取るのが一般的ですが、種類によっては水洗いできる商品もあるため、水洗いの場合はしっかり乾かしてからつけてください。
もし数年掃除していない場合は、フィルターを掃除機で吸った際ボロボロに崩れて再使用不可になることも考えられるため、フィルターは予備としても1枚持っておくと安心です。
掃除しないと起こりうること
掃除しないと、目詰まりを起こして24時間換気システムの効果が薄れるだけでなく、壁紙や天井に汚れが吸着されることもあります。
マンション退去時の原状回復において、経年劣化による壁紙の汚れは基本的には物件オーナーの負担ですが、退去時のトラブルを避けるためにも換気口の掃除はできるだけ小まめにおこないましょう。
まとめ
24時間換気システムは、シックハウス症候群を防ぐために無くてはならないものとなりました。
つけっぱなしにすることで効果を発揮する設備なので、基本的に電源を切る必要はありません。
お手入れを欠かさず行い、いつでもきれいな空気が循環するお部屋にしましょう。
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